2017年01月29日

思い出す、あの音。TF30

 古本屋で見つけた古い航空ファンを読んでいて、ふと昔のアツギの事を思い出した。
 90年代は、F−14とF/A−18、A−6系にS−3と、色んな音で溢れていた。家の中にいても、何が飛んでいるのかわかるほど、独特のエンジン音がしていた。
 好きだったF−14の音は、今でも覚えている。学校の理科室で使うガスバーナーのような、乾いた音を響かせていた。TF30エンジンは、作戦機群の中では最も大人しい部類の音をしていたように思う。アフターバーナーの無いS−3バイキングのエンジンは、掃除機にも例えられる独特な甲高い音をしていたから、うるさくはないけど自己主張の激しいものだった。
 今でも飛んでいるF/A−18のエンジンは、F−14のものよりずっとうるさかったから、聞き分けは簡単だった。推力は小さいが、大きさでもF−14のTF30よりずっと小さいこのF404エンジンは、少量の燃焼ガスを勢いよく吐き出す種類のエンジンで、恐らくそれが音の大きさの違いになっているのだろうと勝手に合点している。
 だが、アツギにいるジェット機で一番うるさかったのはA−6と派生型E/A−6Bで、TF30やF404のような取り入れた空気の一部を燃やさずに排出するターボファンに比べて、取り入れた空気をすべて燃やして推力にするターボジェット方式のJ52はこんなにも音が大きいのかと驚いた。
 F−14は、脚が滑走路から離れると、すぐにアフターバーナーを切って黒煙を吐きながら軽々と上昇していったから、滑走路端で見ていると頭上を通り過ぎる時には静かだった。
 これがF/A−18だと、機体の空気抵抗の大きさからか、浮き上がってもしばらくアフターバーナーを焚いたままで、凄まじい轟音を叩きつけながら頭上を越していく。これは新しいエンジンを積んだ改良型のスーパーホーネットでも変わらない。
 A−6はF/A−18ばりの騒音をいつでもまき散らしていた。アフターバーナーが無く、いつでも同じ音で飛んでいたのだから当たり前だ。ころんと可愛い胴体をした機体だったが、エンジンの出す鳴き声は人間の赤ん坊の泣き声のように激しかった。
 S−3は、うるさくはなく、かといって聞き過ごせるほど自然になじむようなものでもなく、あそこをあれが飛んでいると気付かされるものだった。

 新型のプロペラが独特の音を響かせるE−2ホークアイが、C型からD型に変わるという。しかし、アツギは今年中にイワクニへの移設が始まるため、新型を装備した部隊はアメリカ本土から直接イワクニへ向かう。
 もうすぐ、頭上から大出力の戦闘機用ターボファンエンジン音が消えてしまう。そうなった時、何をきっかけにしてあの音たちを思い出すのだろうか。
posted by 匿名希望の茅ヶ崎人 at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする