2011年02月04日

ICBMサイロはICBMでしか破壊できない

 今日は資料探し。日本では一般的で無い(と私も思うしサイトにも書いてあった)イメージが盛りだくさんだった。

 先日来、核戦争について色々と調べているのですが、ICBM(大陸間弾道弾)について一言。
 ICBMの収まっている発射用地下サイロは、同じくICBMのような比較的に命中率の高い核ミサイルにしか破壊できないようです。
 発射地点の移動する潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)では、発射する時点での位置測定が不確実なので、ICBMサイロの至近距離で爆発させることが難しいそうです。ICBMサイロを破壊するためには、サイロ近くの地表で核弾頭を爆発させて地面にクレーターを作り、その圧力で地下サイロを破壊するそうです。
 ICBMは、発射地点であるサイロの位置が確実にわかっています。そのため、目標の位置も確実にわかればミサイルの制御を行いやすいそうです。そもそも、弾道ミサイルの制御は難しく、打ち上げ開始から数分だけ運転が行われる大出力のロケットモーター(二段式から三段式)の噴射時間と方向制御で狙いを定めた後は、大幅な軌道変更をは行えません。多弾頭ミサイルの場合、4〜10個の弾頭を小型のロケットで少しずつ軌道修正しながら放出していくのですが、ミサイル一つで打ち上げる弾頭はだいたい近距離(数キロ程度?)に散らばる複数の目標に対して落とすようです(例えばICBMサイロのような)。
 この後、核弾頭は星の位置を観測して自分の位置を把握し、若干の軌道修正を図りつつ目標へ落下します。大気圏内へ突入し地表へ近づくと、速度がつきすぎて軌道の修正ができづらくなるようです。精確に狙いを定めたり、落下地点を大幅に修正する場合は、速度を殺さなくてはならないのですが、それだと地上から打ち上げられる対空ミサイルに撃墜されやすくなります。ICBMは敵国上空で落下していく終端速度を速めることで撃墜できなくする兵器なので、速度を落として撃墜の可能性を高めることは本末転倒なのですね。
 閑話休題。ICBMは目標を精確に狙い撃ちするため、ロケットモーターの制御に精密なプログラムを組むそうで、自分の位置と相手の位置がわかればより目標の近くへ弾頭を落とすことができます。この点が、潜水艦から発射するSLBMとの大きな違いです。そして、ICBMサイロは至近距離での核爆発でしか潰せないため、ICBMでしか破壊できないようなのです。
 ということは、ICBMが発射される時点で、相手国のICBMサイロは全て狙われているという事です。ICBMを多数打ち上げる時点で、相手国も全滅する前にICBMで応酬してくること、当然の事ながら全力で打ち上げられた相手のICBMは自分たちのICBMサイロを潰そうとすることを予想しなければなりません。結果、全てのICBMサイロは一時に空になるという寸法です。
 ICBMが多数打ち上げられるような戦争が起これば、対戦国全てのICBMが打ち上げられ、核交換と呼ばれる応酬に発展するというわけです。

 ただ、どのような状況を経てICBMによる核交換に発展すると考えていたのか、米ソ両国の思惑はまだ調べられていません。米ソ両国は自分からは核兵器を使わないと公言していました。ですが、ヨーロッパでNATO(北大西洋条約機構)もWTO(ワルシャワ条約機構)が正面から衝突した場合、地上戦力は圧倒的にWTOが優勢でNATOは苦戦すると見られていました。そのため、西ドイツでは空軍が装備する戦闘機に米空軍で核攻撃任務に就いていたF−84やF−104を選択し、東ドイツからWTOの大機甲部隊が攻めてきた場合には戦術核(西ドイツに保管されていて、アメリカの許可で使用できるもの)で侵攻を食い止める腹づもりがあったようです。ソ連の開発した戦車も、内側に鉛を貼って核爆発時の放射線を食い止める設計になっています。
 ただし、いつ誰が核の使用を決断するのか。これは実際の戦争になってみなければわからなかったのかも知れません。全面核戦争の準備は怠りなく進められていましたが、それがどのような状況で発生するのか、今のところ日本語で読める文章では見つけられていません。

 この記事の内容を反映させ、以前の記事「貴重な教科書、ただし罠有り」(http://tvk134jlbusn.seesaa.net/article/183462247.html?1296831419)を訂正いたします。
ラベル:核戦争
posted by 匿名希望の茅ヶ崎人 at 00:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック