2015年01月16日

自衛隊の目指す対中国戦ってこんな感じ? 「OMEGA7」五巻(小林 源文 著 SBクリエイティブ)感想

 体調は回復の実感は無いものの、咳の激しさは収まりつつある感じ。

 刊行日より遅れましたが、「OMEGA7」五巻(小林 源文 著 SBクリエイティブ)を読了しました。
 一応、非正規特殊部隊のオメガが主役なのですが、本巻は日本と中国の小競り合いがメインになっているので主役はちと食われ気味です。で、その日中紛争の中身なんですが、ミサイルによる海空の飽和攻撃と潜水艦によるとどめの一撃なんですね。これって多分、自衛隊が理想としている戦闘のカタチなんだと思います。今、護衛艦に入れているリンク16によるデータリンクシステムで、上空のAWACSと空自のF−2Aとの合同作戦で、敵を一気に壊滅させるっていう寸法です。
 この描写が、すこし綺麗すぎるような気もします。小林源文先生が過去に書いた対ソ戦争もの、北海道に攻めてくるソ連軍を機甲師団や普通科で殲滅する話の「BATTLE OVER 北海道」(共著)、それと新潟と東京が同時攻撃されてソ連に官公庁やマスコミが抑えられ、孤立無援でドロドロの撤退戦を繰り広げる「RAID ON TOKYO」。この二作品の内、自衛隊がやろうとしていた戦争が「BATTLE OVER 北海道」で、やりたくない戦争、ソ連軍に主導権が握られてなすすべなく戦わされるのが後者「RAID ON TOKYO」の内容に思えるんです。
 今回のOMEGA7に出てくる日中戦は、恐らく自衛隊の理想の戦争、「BATTLE OVER 北海道」のような世界観のように感じられます。それと、歴史上ではフォークランド紛争以後は起きていない、本格的な海戦のシミュレーションでもあります。フォークランド紛争でも、アルゼンチン側は砲火を交える距離までは艦隊をイギリス軍に接近させられなかったわけですが、日本と中国の場合は恒常的に航空優勢を取ることがむつかしい洋上で戦わざるを得ないので、必然的に護衛艦隊が敵艦隊を排除するために直接攻撃しなければならなくなるので、ひょっとしたら第二次大戦の太平洋戦線以来の大規模海戦になる可能性もあるわけですね。
 ただし、実際に中国が正面切って挑んでくるかどうか、「RAID ON TOKYO」に描かれたような、戦いたくない戦争、自衛隊が避けたいと思う形の戦争もあるんでしょう。それはどんなものなのか。個人的には、沖縄に自称独立派の勢力が気勢を上げ、中国軍を招き入れて無血占領のおぜん立てをするようなものを想像しますが、そうなったら自衛隊員は民間人に紛れ込みながらゲリラ戦ということで中国軍高官を狙撃したり、揚陸艦を港で荷揚げする前に爆破するとか、中国軍の浸透を抑えつつ施政権を取り戻すための国内手続きをするという、ウクライナ内戦に似た様相を呈する感じになりますか。そんな風に想像を巡らしたりしています。
 現段階の日本が、中国に対してどこまでやれるのかという問題は、この「OMEGA7」五巻で十分に描かれていると思います。作品世界ではF−35Aが戦っているので、五年以上は先の未来にはなりますが。軍事の世界では予想が変わることもありますし、日本の防衛装備品が輸出可能になったことで今までにない技術交流も生まれているので、近いうちにまた別の可能性も開けるかも知れませんね。
posted by 匿名希望の茅ヶ崎人 at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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